
お寺の経営を安定させることは、将来にわたってお寺を存続させていくために大切なことです。しかし、「経営状態が厳しい」「檀家の減少などで将来性が見いだせない」と感じる寺院経営者も増えています。
実際、お寺の経営改善のために何かしなければならないという問題意識を持ちつつも、具体的にどうすればよいのかわからないという寺院経営者の方も多いのではないでしょうか。
檀家離れや少子化など、お寺を取り巻く環境は厳しくなっていますが、お寺の経営を改善し、安定させるためにできることはいくつもあります。
この記事では、お寺の経営の見通しや檀家や地域との関係を作るための方法、永代供養という新しいお墓を経営に導入するメリット・デメリットや手順について、くわしく解説します。
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お寺経営の将来の見通し

お寺の経営において、収入の主軸は檀家の年会費である護持会費(相場は1~2万円/年)です。しかし、将来的には檀家が減っていくことが予想されています。
檀家が減少する要因としては、以下の5点があげられます。
- 日本の人口の減少
- お墓の承継者がいない
- 独身の人の増加
- 老後の資金問題
- 宗教観の変化
お寺経営の問題①日本の人口の減少
2015年に日本創生会議が発表したレポート「地方消滅」によると、2040年の段階で全国の自治体の49.8%が、人口減少により消滅する可能性があるとされています。
現在のお寺経営の収益の柱は檀家というケースが多くなっていますが、将来人口が減ると、寺院を支える檀家も減ってしまうことになり、お寺の収益が悪化するリスクがあります。
日本全体が抱える「人口の減少」という問題を乗り越えて、お寺が長期的に存続するためには、檀家以外の収益源を確保する必要があります。
お寺経営の問題②お墓の承継者がいない
近年は少子化が進んでおり、お墓の承継者がいないため、墓じまいをせざるを得ない人が増えています。
お墓の承継者がいない人は、後継の心配のない永代供養墓などを検討しますが、「自分が住んでいる地域で永代供養墓を見つけられない」「抽選に外れてしまった」といった理由で、お墓が確保できないという人も多くなっています。
お墓の承継者がいない人も安心して眠れるお墓を確保するためには、「永代供養墓」の数を増やす必要があります。
お寺経営の問題③独身の人の増加
婚姻率の低下も社会的な問題となっており、生涯独身の人も増えています。独身の人は、代々お墓を継いでいくお墓に入ることはできず、檀家になることもできません。
ひと昔前までは、世代交代が進めば、一定数の新しい檀家が増えていましたが、少子化と婚姻率の低下により、檀家が増えるのは難しい状況になっています。
お寺経営の問題④老後の資金問題
日本では平均寿命が伸びており、老後資金が多く必要になっていることも、お寺の経営にとってはマイナス要因です。
年金はほとんど変わらないのに、物価が上がるという現象のため、老後の生活が厳しいと感じる人が増えています。
また、人生100年時代ともいわれ、老後の生活がより長くなると想定されるため、多くの人が出費を抑えようと考え、その流れで檀家をやめるという人もいます。
このように金銭的に余裕がない人が多くなったことも、檀家離れを加速させる原因のひとつとなっています。
お寺経営の問題⑤宗教観の変化
現代の人の宗教観が変化し、以前のように仏教が生活に根付いていないことも、新たな檀家を期待できない要因のひとつです。
NHK放送文化研究所が参加しているISSP(International Social Survey Programme)が行った調査「日本人の宗教意識や行動がどう変わったか」によると、2018年の時点で、普段信仰している宗教がある人は36%にとどまっているという結果になっています。
このように、無宗教の人が増えていることも、新たな檀家を期待できない要因となっています。
檀家や地域との関係を作るための効果的な方法
お寺は長い間、地域の中心としての役割を担い、そのお寺を支える目的で、檀家制度が受け継がれてきました。
近年は、新しい檀家を獲得することが難しいという現状がありますが、人々の交流により地域が活発化すれば、新しい人々を地域に呼び込むことができ、お寺についてより深く知ってもらう機会になります。
ここでは、檀家や地域との良好な関係を作るために効果的な方法を紹介します。
檀家との対話を増やす
檀家との対話を増やすことは、檀家との関わりをより強くし、檀家離れを防ぐことにつながります。
「仏教に関する実態把握調査(2022年度)報告書」によると、菩提寺の満足度と、住職との会話機会の関係は、以下のようになっています。
会話機会の種類 | 満足層 | 中庸 | 不満層 |
---|---|---|---|
葬儀・法要 | 71.9% | 37.4% | 51.3% |
お墓参り | 32.1% | 13.9% | 10.7% |
お盆 | 32.1% | 11.1% | 11.8% |
お彼岸 | 19.3% | 5.8% | 8.6% |
会話する機会がない | 15.5% | 53.1% | 41.8% |
住職との会話機会は、どの層も「葬儀・法要」が中心ですが、「満足層」では、お墓参りやお盆の会話機会も3割以上と多くなっています。
また、「会話する機会がない」と答えた人は、不満層で41.8%、中庸層で53.1%と高くなっています。
このようなことから、
- 菩提寺に満足している層は、葬儀や法要以外にも会話機会が多い
- 不満層や中庸層は、葬儀や法要以外では、会話する機会がない
ということがわかります。
檀家にとっては、死後に供養してもらえるというだけでなく、日頃からさまざまなことを相談できたり、仏様の教えに触れることで精神的な支援を受けられることも大きな意味があります。
檀家に電話をしたり、何かあったら気軽に連絡できるようにメールアドレスを伝えるなど、対話のチャネルはいつでも開いていることを伝え、安心してもらえるようにしましょう。
寺院を解放して開かれた雰囲気をつくる
お寺は気軽に行きづらい場所というイメージを持つ人も多くいますが、お寺は開かれており、身近なものと考えてもらうことが大切です。
地域住民との距離を縮めたいということで、「夏祭り」や「秋祭り」など、さまざまなイベントを開催する寺院も増えています。
一例として、秋を満喫する「瑠璃光寺フェス」を開催された、瑠璃光寺について紹介します。
瑠璃光寺は平安時代初期からの歴史があるお寺で、「新しい自分に出会い、充実した一日を過ごしてもらいたい」とのことで、コロナ禍を乗り越えて4年ぶりにフェスティバルを開催しました。

当日は場内を散策する「梵字スタンプラリー」や、エータイ協力のもと行った参加無料・はずれなしでお菓子がもらえる3種類のゲームなど、誰もが楽しめる企画を用意し、幅広い年齢の方に楽しんでもらいました。
室内では12店の占いブースを用意し、待合席が満席になるほどの大盛況。ハンドメイドやハンドクラフト、手作りごはんやコーヒーを提供するブースもあり、多くの人が訪れて、充実した一日を楽しんでいました。

このように、地域の人達が集うイベントを開催することで、住民同士の交流にもつながりますし、「お寺」がとても身近な存在になります。
毎年定期的に開催することで、「フェスティバルの季節だな」と楽しみにしてもらえますし、季節ごとに行われるイベントは、多くの人の記憶にもしっかりと刻まれていきます。
どのようなイベントを開催すればわからないという場合も多いかと思いますが、他のお寺の成功事例を知っている業者にアドバイスをもらうことで、住職の方の考えにあった規模や内容のイベントを実施できます。
寺子屋やヨガ・セミナーを開催
寺子屋やヨガなどのセミナーを開催することで、子供や若い人にお寺について知ってもらえる機会になります。
毎週定期的に開催することで、お寺に通う習慣をつけてもらえます。日々の生活のなかで、お寺で過ごす時間が少しあるだけでも、お寺との距離が縮まり、親しみをもってもらえます。
夏祭りなどを開催
夏祭りや盆踊りなどは、地域の人が気軽に参加でき、楽しんでもらえるイベントです。夏休みなので子供も参加しやすく、家族単位で参加してもらえるため、交流が深まりやすいという特徴があります。
PTA見守り活動など地域に貢献
子供の登下校を見守るようなPTA活動も、子供や親との距離を縮められる活動です。
子供の時からかかわる機会を持つことで、大人になってもお寺を身近に感じてもらえますし、親世代との信頼感も深まります。
SNSでの発信
さまざまな企業がSNSをマーケティングのツールとして活用する中、近年は積極的にSNS発信をするお寺も増えています。
インスタやツイッターで日頃考えていることをつぶやいたり、お寺の風景をアップするなど、できる範囲で情報発信することで、お寺に興味を持つ人を増やせるというメリットがあります。
例えば、SNSを活用している東京都の「徳聚山 圓珠寺」は、さまざまな投稿で人気を集めるインフルエンサーにお寺の御朱印を紹介してもらうことで、今までお寺に興味が薄かった層にも情報を伝え、寺院に足を運んでもらえるマーケティングをしています。
また、住職自身がSNSを発信し、多くのフォロワーを抱える住職も増えており、仏教の教えや格言、イラストが入った手書きの御朱印、いわゆる「アート御朱印」などを発信し、寺院に親しみを持ってもらったり、御朱印など収益源となるグッズのマーケティングを行なっています。
参考:【お寺・神社 編】インフルエンサーマーケティング成功事例4選
SNSで継続的に発信してフォロワーを増やしていると、イベントなどの告知もSNS上で簡単かつ効果的におこなえるようになるという利点もあります。
檀家にSNSをフォローしてもらうのも、檀家との対話のチャネルを増やす良い方法です。
お寺が檀家以外の収入源を持つ方法
お寺は檀家によって支えられていますが、お寺の収入の大部分を檀家からの支援に依存している場合、将来的にはお寺の経営は厳しくなると予想されます。
お寺の経営を安定させるためには、その他の収入源を持つことが大切です。ここでは、お寺の収入を増やすための方法を2つ紹介します。
寺院本堂を利用した葬儀
寺院の本堂を利用した葬儀である「寺院葬」を行うことで、収入を増やす仕組みを作ります。
一般的には、僧侶は葬儀の際の法要に呼ばれて読経をすることがほとんどですが、葬儀そのものを寺院で行うことで、まとまった収入が見込めます。
寺院葬は、本堂を使って行われるため、格式が高く、厳かな雰囲気で執り行われることが魅力です。お寺での葬儀は葬儀専用会館の葬儀と異なる部分が多く差別化ができるため、一定の集客が見込めます。
また、寺院葬の費用は葬儀専用会館の場合よりも安いことが多く、費用面でも魅力があります。
最近は、寺院葬を収益源ととらえ、ホームページなどで積極的に情報提供していたり、葬儀の大手ポータルサイトに登録する寺院も増えています。
永代供養墓の経営
寺院内に永代供養墓を建立・販売することで、檀家以外の収入の仕組みを構築できます。
永代供養墓は後継不要のお墓のため、独身の人や子どもがいない人、お墓が遠いなどの事情で墓じまいした人、自分のお墓は自分で決めたいと生前購入する人などが主な購入層です。
永代供養墓は宗旨・宗派が不問で、お墓の承継者がいない人も購入できることから、檀家とは違う、今までつながりがなかった人とも新たなご縁ができます。
また、永代供養墓は「お墓の承継者がおらず、檀家をやめざるを得ないが、どこにお墓を持てば良いかわからない」といった悩みを抱える人の受け皿になれるというメリットもあります。
そして、永代供養墓は、長年お世話になってきた檀家の方の「承継者がいない」という悩みを解決する方法でもあるのです。
永代供養墓経営のメリット

永代供養墓を寺院経営に導入するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、4つのメリットについて紹介します。
墓地が不足しておりニーズがある
永代供養墓を希望する人は年々増えていますが、永代供養墓の数は需要に見合っておらず、まだまだ少ないのが現状です。
少子化や宗教観の変化などを背景に、永代供養墓を希望する人は今後も増えていくと考えられることから、永代供養墓を販売しやすい環境といえます。
手元の現金がなくてもスタートできる
永代供養墓の導入に、初期費用がかかるかどうかは、永代供養墓を扱う業者によります。
たとえばエータイの永代供養墓であれば、初期費用が一切かからないため、手元の現金がなくても永代供養墓の導入が可能です。
一般墓地よりも面積あたりの利益が大きい
永代供養墓にはさまざまなタイプがありますが、現在主流となっているマンションタイプの永代供養墓は、狭い敷地で多くの区画が持てるため、お墓を販売した際の面積当たりの利益が大きくなります。
限りある土地を最大限活用して多くの利益を得られることが、永代供養墓のメリットといえます。
永代供養経営のデメリット
永代供養経営には多くのメリットがありますが、デメリットと考えられることもいくつかありますので紹介します。
日々のお勤めに支障が出る
永代供養墓の導入には、墓地の許可申請や永代供養墓の建立、販売のための広告やマーケティング、見学希望者の案内や契約手続きなど、さまざまなプロセスがあります。
しかし、寺院経営者は多忙なことが多く、これら一連の作業を自分で行おうとするとかなりの時間をとられ、日頃のお勤め等に支障が出てしまうというデメリットがあります。
広告・宣伝がうまくいかない可能性がある
永代供養墓を導入しても、販売がうまくいくかどうかわからないと不安を感じる寺院経営者も多くいます。実際、初期費用としてまとまったお金を投資したのに永代供養墓が売れず、負債を抱えてしまうというケースもあります。
永代供養墓経営はエータイにご相談ください
弊社エータイの永代供養墓であれば、永代供養墓の建立から宣伝広告、販売、お墓の掃除などの管理まですべて一任できる仕組みになっており、寺院経営者の負担が増えることはないため、安心して永代供養墓を導入できます。
また、販売実績に基づく効果的なマーケティング手法のノウハウがあり、それらを活用して永代供養墓の販売につなげています。広告宣伝費などを別途請求することもないので安心です。
さらに、初期費用も一切かかりません。そのため、永代供養墓が思うように売れなかった場合でも、負債を抱えることはありません。
このように、エータイでは初期費用が一切不要で永代供養経営という新しい取り組みを始められること、永代供養墓の建立から販売、お墓の管理まですべて一任できることが、大きなメリットとなっています。
お寺ごとに最適なご提案をいたしますので、まずはお気軽にお悩みをご相談ください。
永代供養経営の導入の流れ
永代供養墓を導入する流れについて、弊社エータイの場合を参考にご紹介します。
永代供養墓の導入は、大まかにわけて以下のように8つのステップがあります。
- 1.顔合わせ
- 2.ヒアリング
- 3.プラン提出
- 4.打合せ
- 5.契約
- 6.申請
- 7. 工事
- 8.販売
ヒアリングでは、どのような永代供養墓を導入したいか、寺院のどの場所に建立したいかなど、寺院経営者の方の希望をうかがいます。
樹木や石などの撤去が必要な場合は、撤去についても相談します。撤去の際も、別途撤去費用がかからないので安心できます。
希望内容を元にしたプランを作成して打合せを行い、納得できるかたちになれば契約を取り交わし、永代供養墓を建立します。
建立後の宣伝広告やマーケティング、見学希望者の案内、契約手続き、永代供養墓の掃除や管理まで、すべて弊社エータイが一任して行うため、寺院経営者の時間がとられることはありません。
永代供養墓を購入してもらうたびに、寺院経営者に収益があがる仕組みになっています。
まとめ
永代供養墓を導入すると、今までとは違う新しい人々とのご縁ができ、新たな収益の柱を構築できるため、お寺の経営が安定するというメリットがあります。
永代供養墓を導入することは、「お墓の承継者がいない」という悩みがある人に、安心して眠れるお墓を提供できるという社会的意義もあります。
また、お墓の承継者がいないと悩む檀家の人にも、永代供養墓があれば安心して寺院内で眠ってもらえます。
エータイでは永代供養墓の建立から広告販売、お墓の管理まですべて一任できるため、寺院経営者の日々の生活を変えることなく、永代供養墓を導入できます。
また、初期費用が一切かからないため、まとまったお金がなくても、新しい取り組みを始められること、万が一販売不振になっても負債を抱えるリスクがないことも、大きなメリットです。
エータイの樹木葬・永代供養墓についてくわしく知りたいという方は、ぜひ資料を取り寄せてみてください。