お寺が経営難に陥るケースが全国的に増えていますが、その背景には社会的な要因が大きく関係しています。
お寺が経営難になる主な理由として檀家の減少が挙げられますが、経営改善のためには、檀家を維持するだけではなく、檀家以外の収入源を確保することも重要です。
この記事では、経営難のお寺が増えている背景や主な経営課題、お寺が経営を改善する具体策について解説します。
樹木葬・永代供養墓の導入で経営の安定化を。
弊社エータイなら初期費用ゼロで建立から宣伝広告、販売、その後のフォローまで一任。
経営難のお寺が増えている背景
近年は経営難に陥っているお寺が増えていますが、その背景としては、以前と比べて日本の社会が大きく変化していることが挙げられます。
それでは、お寺が経営難になる具体的な原因について詳しく解説します。
過疎化と人口減少
日本では人口減少や過疎化が進んでおり、それに伴いお寺の檀家(だんか)が減少しています。
特に地方の小規模な寺院では、檀家料以外の収入が少ないため、檀家の減少が寺院経営に大きな影響を及ぼしてしまう構造になっています。
また、地方の若者が都市部に流出してしまい、お墓の管理が難しくなるという問題も起きています。
若者が都市部に住むと、地方にあるお墓の管理が難しくなります。その結果墓じまいや改葬が進むため、檀家が減ってしまうという悪循環になっています。
少子高齢化
少子高齢化もお寺の経営難を加速させる要因の一つです。
高齢化によって檀家の中心的な年齢層が年々減少していきますが、若い世代が檀家を継続しないケースも増えているため、檀家がますます減少する可能性が高くなっています。
また、核家族化が進み家族や親戚で集まる機会が減っているため、法事や供養の規模や回数も減っています。その結果、寺院の御布施収入が減っていることもお寺の経営難の理由となっています。
参考:葬祭ビジネス市場に関する調査を実施(2023年) | 株式会社矢野経済研究所
宗教離れ
現代社会では、宗教に対する関心や理解が薄れる「宗教離れ」が進んでいます。これもお寺が直面する大きな課題です。
現代は以前に比べて宗教観が大きく変化しています。NHK放送文化研究所が参加しているISSP(International Social Survey Programme)が行った調査によると、「信仰している宗教がない」と答えた人は62%に達しており、特に若者の宗教離れが進んでいるという現状があります。
信仰心が希薄化し個人主義が進むと、伝統的な宗教行事への参加や供養の重要性が軽視されがちです。
その結果、葬儀や法要などが簡素化されたり、寄付などの檀家の金銭的負担に疑問を感じる人が増え、離檀につながっている現状があります。
お寺の収入事情の実態とは
「坊主丸儲け」という言葉があるように、お寺は潤沢な収入があると考えられがちです。しかし、実際は檀家減少などにより収入が減り、経営難に陥っている寺院が多いという実態があります。
例えば、日本で1万寺を擁する浄土真宗本願寺では、全寺院のうち約43%が年収300万円以下です。日本最大の仏教宗派である曹洞宗でも、約42%が年収300万円以下というデータがあります。
また、寺院としての収入は非課税ですが、寺院経営者が得る給与は「給与所得」のため、所得税や住民税を納めているため、手取りはもっと少ないという現実があります。
このように、多くの寺院経営者の年収は少ないことから、寺院経営者の生活は「坊主丸儲け」という言葉とはかけ離れていることがうかがえます。
実際に、寺院経営者が寺院収入だけでは生活することが難しく、副業する例も珍しくありません。
今後も、人口減少や少子化が進むと考えられるため、何らかの対策を行い、寺院経営を改善していく必要があります。
寺院を将来にわたって維持・継続させるためには、檀家収入以外の安定した収入源を作り、経営を安定化させることが喫緊の課題といえます。
お寺が直面する主な経営課題
現代のお寺はさまざまな問題に直面していますが、お寺を将来にわたって存続させるためには、それらの問題を改善・解決していくことが重要です。
ここではお寺が直面する主な3つの経営課題について解説します。
檀家の減少
近年はお墓の承継者がいなかったり、金銭負担が重いなどの理由で檀家をやめる人が増えており、「檀家離れ」と呼ばれる現象が起きています。
檀家料は寺院の主な収入源のため、檀家離れを食い止める必要がありますが、日本においては人口減少や少子化が今後も進むと考えられるため、今後も檀家が減ると予想できます。
そのため、檀家料とは別の収入源を作り出し、寺院経営を安定化させることが大切です。
参考:人口減少社会における地方寺院経営の現状―高野山真言宗和歌山宗務支所を事例として | 高野山大学密教文化研究所
葬儀や法要の減少
また、近年は「直葬(火葬のみ)」や家族葬の増加により、葬儀や法事を簡素化する傾向があります。
葬儀の形式も「大人数・高単価の一般葬」から、「少人数・低単価の家族葬」への移行が進むと考えられることも、お寺経営にとってはマイナス要因といえます。
参考:葬祭ビジネス市場に関する調査を実施(2023年) | 株式会社矢野経済研究所
後継ぎ問題
「後継ぎ問題」も課題の一つです。お寺は家族経営に近い形で運営されることが多くなっていますが、子供がいなかったり、進学や就職のために都市部に行くなどして、お寺を継がないケースが増えています。
また、お寺の経営が安定せず将来性が見いだせないということで、寺院経営者が子供に継がせることをあきらめるケースもあります。
お寺の収入が増えて経営が安定すれば、お寺を継いでも安心して生活ができる環境が整うため、お寺の承継者問題が解決できる可能性もあります。
このようにお寺の経営難は、後継ぎ問題にも大きな影響を与えているといえます。
お寺の経営難を解決するための改善策【事例つき】
お寺の経営難を解決するためには、経営課題に向かい合い、新たな取り組みを行っていく必要があります。
ここでは、お寺の経営難を改善するための方法と、実際の事例について紹介します。
永代供養墓の導入
永代供養墓とは、お寺が遺骨の管理や供養を永代にわたって行う「永代供養のサービス」がついたお墓のことを言います。
近年は「お墓の承継者がいない」「子供に迷惑をかけたくない」という人が増えており、このような人が安心して眠れるお墓として、永代供養墓や樹木葬・納骨堂などの「永代供養のお墓」の人気が高まっています。
寺院経営の改善策のひとつとして、ニーズが高い永代供養墓や樹木葬・納骨堂を寺院墓地に導入することで、檀家以外の新たな収入源を確保できるというメリットがあります。
また、お墓の承継者がいないという人にも安心して眠ってもらう場所を提供するという社会的意義もあります。
永代供養墓を導入した事例の一つとして、東京都港区にある「日通山妙善寺(みょうぜんじ)」をご紹介します。
永代供養墓の導入例【日通山妙善寺】
妙善寺は六本木に位置する、徳川家康公の側室にゆかりがある寺院として知られています。
妙善寺では、少子化で墓地を継承することが難しくなっているという問題を解決するために、エータイの永代供養墓「観音廟やすらぎ」と永代供養付個別墓「やすらぎ五輪塔」を導入いただきました。
ご住職の声は以下のとおりです。
ご住職の声
観音廟やマンション墓など、新しい選択肢を提供できるようになって、今までご縁がなかった方や、お墓の承継者がいらっしゃらない檀家の方にも安心してご利用いただけるようになりました。今後も新しいニーズに添えるように努めています。
日通山妙善寺の事例については、こちらの記事も参考にしてください。
永代供養墓経営について、くわしく知りたいという方は、ぜひ資料を取り寄せてみてください。
観光業との連携
お寺の経営難を改善する方法として、観光業との連携も効果的です。
具体的には、お寺という特別な空間に宿泊できる「宿坊体験」や、写経や座禅・精進料理教室などを体験してもらうという方法があります。
このように、日本ならではの体験ができるプログラムは人気を集めています。
体験の様子や感想をSNS発信する人も多いことから、国内外の知名度が高まり、お寺に興味を持ってくれる人が増えるという相乗効果もあります。
お祭りなどイベント開催
近年は宗教観の変化に伴い、お寺と地域の人との関係が薄れたり、地域の人同士の関係も希薄になる傾向があります。
そのような状況を改善し、お寺と地域の人の関わりを増やすために、お祭りなどの地域のイベントを開催するという方法があります。
地域の人が訪れて楽しめるようなイベントを開催することで、地域の人同士の結びつきを強められるというメリットもあります。
エータイでは、お寺のイベント開催をサポートする取り組みも行っているため、「どのようにイベントを開催して良いかわからない」という不安や悩みにも寄り添い、具体的な対応が可能です。
一例として、エータイのサポートでイベントを開催した、千葉県市川市にある日蓮宗 妙正寺(みょうしょうじ)の事例をご紹介します。
お祭りなどイベントの開催例【妙正寺】
日蓮宗妙正寺は、800年以上の歴史を持つ、日蓮聖人ゆかりのお寺です。地域を盛り上げたいという想いを持つご住職から「何かできないか」とエータイにお声をいただいたことをきっかけに「お祭り」を開催しました。
お墓参り以外でもお寺に気軽に立ち寄ってほしいというご住職の想いから、年3回イベントを開催しています。
エータイでは、イベントの企画準備や告知・当日の運営を寺院に代わって行っています。また、寺院の魅力を生かすコンテンツを季節ごとに考えて実施しており、最大300名以上の方にご参加いただいています。
妙正寺のイベントやお祭りコンテンツの事例等については、こちらの記事も参考にしてください。
オンライン法要やリモート供養の導入
日本ではコロナ以降、さまざまな理由で法要や供養が簡素化される傾向があります。そのような人々のニーズに応えるために、「オンライン法要」を提供するのもひとつの方法です。
オンライン法要では、親族が一堂に集まる必要がなく、それぞれの自宅から法要に参加できます。また、高齢で長距離の移動が負担になるという人も、無理なく参加できるというメリットがあります。
オンライン法要には、以下のような3つの方法があり、状況に合わせて選べます。
| オンライン法要の種類 | 内容 |
|---|---|
| ライブ配信型 | ご住職が読経する様子をリアルタイムで配信する |
| 録画配信型 | ご住職が事前に収録した読経や供養の映像を、参加者が好きなタイミングで視聴する |
| ハイブリッド型 | 一部の参加者は会場に集まり、遠方の人はオンラインで参加する |
一般的な法要とオンライン法要を組み合わせることで、さまざまなニーズに対応できます。
また、オンライン法要であれば全国の人が対象となるため、地方のお寺でも法要数を増やせる可能性が高くなっています。
寺院と地域との連携強化
お寺は長い間、地域コミュニティの中心的な役割を果たしてきました。
今はつながりが薄れているケースも多いかと思いますが、季節ごとのお祭りや文化講座などのさまざまなイベントを開催することで関係を再構築でき、お寺に興味を持ってもらうことにつながります。
また、地域防災の拠点として、お寺を避難場所や物資の供給地点として使える仕組みを整えたり、心の平安を求める人々に瞑想やカウンセリングの場を提供するという方法もあります。
加えて、地元の学校で講演したり、高齢者向けの交流会を開催するなど教育や福祉分野でも貢献することで、幅広い年代の人にお寺に親しみを持ってもらえますし、葬儀や法事の依頼増加につなげることも可能です。
クラウドファンディングの活用
お寺の経営難を改善する方法として、クラウドファンディングを活用する例も増えてきています。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、特定の目的やプロジェクトのために寄付を募る仕組みです。全国の人から小口の寄付を集められることが大きなメリットとなっています。
近年はお寺の修繕や文化財の保護、地域貢献のプロジェクトなど、さまざまな目的を達成するための方法としてクラウドファンディングが活用されています。
ただし、お寺がクラウドファンディングを活用して資金集めをする場合、プロジェクトの目的を明確化したり、資金使途を透明化したりするなど、きちんとした対応が必要になり、手間もかかります。
クラウドファンディングを利用するかどうかは慎重に考えるようにしましょう。
寺院がエータイの永代供養墓や樹木葬を導入するメリット
お墓の敷地を利用して永代供養墓や樹木葬・納骨堂を導入することは、檀家以外の収益の柱を増やし、お寺の経営難を改善できる効果的な方法です。
ここでは、お寺が永代供養墓や樹木葬・納骨堂を導入するメリットについて、エータイの場合を事例にご紹介します。
初期投資が不要
エータイの永代供養墓は、初期費用ゼロで導入できることが大きなメリットです。
一般的には、永代供養墓の導入には数百万円単位の初期費用が必要なケースも多くなっています。
しかし、初期投資分をいつ回収できるかは不透明なため、寺院経営者がリスクを負う必要があります。
エータイの永代供養墓であれば初期投資が不要なため、キャッシュフローが悪化するリスクや、資金が回収できないというリスクを抱える必要がありません。
エータイの永代供養墓導入の仕組みは、リスクを負うことなく新しい取り組みを始められることが大きなメリットといえます。
一度に複数の種類のお墓を作れる
エータイが提供している永代供養のお墓はさまざまな種類があるため、同時に複数の種類のお墓を導入することが可能です。
複数のお墓を比較して選べることで、お客様の考えに合ったものを選びやすく、成約につながりやすいというメリットがあります。
満足できるお墓選びをしてもらうためにも、複数の永代供養墓を導入すると良いでしょう。
マーケティングから販売まで一任できる
エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂は、建立から宣伝広告・販売・清掃等のお墓の管理まですべて一任できることが大きな特徴です。
一般的には永代供養墓の販売は寺院が独自で行うことも多く、マーケティングの知識や販売経験がない中、手探りで販売するというケースも珍しくありません。
そのため、思うように売れずに初期費用がなかなか回収できないというケースもあります。
エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂では、寺院経営者でなくエータイが長年培った知見や経験を生かして効果的なマーケティング・販売まで行います。
また、もし販売がうまくいかなかったとしても、そもそも初期費用が不要なため、寺院経営に悪影響を与えることはありません。
このように、マーケティングから販売・お墓の管理まですべて一任できることも、エータイの永代供養墓を導入する大きなメリットといえます。
寺院経営者の手間が増えない
エータイでは、永代供養墓や樹木葬・納骨堂に関することをすべて一任できるため、寺院経営者の手間が増えることはありません。
本来のお勤めや仕事は今まで通りに行いつつ、新しい取り組みを始められるというメリットがあります。
お寺の経営難をどうにかしたいものの、取り組む時間がないという寺院経営者の方も多くいます。
エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂であれば、寺院経営者の生活はそのままで、収益を増やす取り組みを始められます。
寺院がエータイの樹木葬を導入する流れ
エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂は初期費用が一切不要なため、思い立ったタイミングで導入を進められます。
エータイの永代供養墓・樹木葬の導入の流れは、以下のとおりです。
- 顔合わせ
- ヒアリング
- プラン提出
- 打合せ
- 許可申請
- 発注・工事
- 販売
- 管理
まずは顔合わせで寺院経営者のお話をお伺いします。
これから寺院をどのようにしていきたいのか、問題点は何なのかをざっくばらんにお話いただきます。また、エータイからは永代供養墓や樹木葬・納骨堂をどのように導入するかについてもくわしく説明します。
エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂を導入すると決まったら、寺院経営者の希望や敷地の形状に合ったプランを提案します。
古い建物や大きな石などがある場合は、撤去についても相談します。撤去費用が別途必要になることもないため、安心して希望通りのプランを進められます。
お墓を導入した後は、エータイが販売活動を行い、販売していきます。また、永代供養墓や樹木葬・納骨堂の管理もエータイが行うため、寺院内も常に綺麗に保てます。
このように、エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂では、初期費用が不要で、販売から管理まですべて一任できることが大きな強みとなっています。
まとめ
お寺の経営難は少子化や過疎化など、社会の構造変化によるものが大きな割合を占めているため、檀家は今後も減っていくことが予想されます。
お寺の経営難を改善するためには、檀家料以外の収益の柱を増やし、今の時代に合った経営に変えていくことが大切です。
お寺が取り組めるビジネスにはさまざまなものがありますが、エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂であれば、導入から販売・管理まですべて一任できるため、寺院経営者に負担がかからないというメリットがあります。
また、初期費用が不要なため、金銭的なリスクを抱えることなく、新しい取り組みを始めることが可能です。
エータイの永代供養墓や樹木葬・納骨堂についてくわしく知りたいという人は、ぜひ資料を取り寄せてみてください。