東京都新宿区にある多聞院(たもんいん)の事例をご紹介します。
多聞院は真言宗豊山派の寺院で、400年以上もの歴史のある古刹です。境内には新宿区登録史跡に指定されている江戸後期の平家琵琶の検校・吉川湊一や日本新劇の草分け的女優だった松井須磨子の墓、詩人・生田春月の詩碑があり、歴史探訪で訪問する人も少なくありません。都営大江戸線「牛込柳町駅」東京メトロ東西線「早稲田駅」「神楽坂駅」からも徒歩圏内とアクセスも良く、定期的にライトアップなどのイベントも開催しています。
イベント実施の背景
年中行事として毎年行っている、お釈迦様の生誕を祝う「花まつり」。
より多くの方に行事を知っていただきたい、お寺に気軽に来ていただきたいという想いから、新たなアイデアを加えて実施いたしました。
寺院には、長く続いている行事がありますが、一般の方に知られていなかったり参加する機会はまだまだ少ないものが多いです。しかし、地域の中にあり誰でも立ち寄ることができる寺院だからこそ、イベントを通じて地域の方が交流するきっかけを作ることができると考えています。
多聞院や寺院行事の周知と地域活性化を目指し、寺院ならではのイベント企画・運営を行いました。
参加することで文化を学び、社会問題に向き合えるイベント
多聞院では、毎年4月8日のお釈迦様の誕生日に合わせ「花まつり」を開催しています。
お釈迦様の誕生を祝う行事を通じて、仏教行事や教えを後世に伝えていく、そして寺院を知っていただくきっかけを目指しています。
当社では、イベントの企画段階から準備、チラシ作成や集客、当日の運営まで一貫してサポートを行います。
イベントを通じて多くの方に寺院を知っていただき、地域に根付く身近な存在と感じていただけるように、仏教の教え「もったいない」をベースに社会問題である「フラワーロス」に向き合う取り組みを導入しました。
企画概要
近年、「フラワーロス」という社会問題が注目されています。フラワーロスとは、規格外で販売できない花や、短期間で役目を終えた花が捨てられ、無駄になってしまう問題です。また、花の廃棄は単なる資源の損失にとどまらず、生産や流通にかかるコストも考えると社会的な損失も大きい為、解決に向けて政府や企業が取り組みを進めている社会問題です。
今回、お寺で行う「花まつり」と「フラワーロス」をかけ合わせた新たな取り組みを行いました。
現代の「もったいない」の意味の語源は、仏教の考えに由来します。どんな命も無駄なものはなく「物を大切にする」という考えです。綺麗に咲いていても規格外のため、店頭に並ばない花をイベントで活用することでフラワーロス問題解決への取り組みに貢献しました。
実施内容
「花まつり」は花で装飾した小さなお堂(花御堂)の誕生仏に甘茶をかける体験ができます。
本イベントでは、綺麗に咲いているものの茎の太さや長さなどの理由で規格外となった花を使用し装飾などを行いました。
①花御堂の装飾
これまで造花を使用していた花御堂の装飾を、生花で実施しました。飾り付け時は茎を短く切り落とすため、綺麗な花の部分を中心に使うことができ規格外の花との相性もいい活用方法です。
②花のプレゼント
花御堂での甘茶かけにご参加いただいた方に、お花を1本プレゼントしました。会場でフラワーロス問題を学ぶだけでなく、ご自宅に飾ることで解決に向けての取り組みに参加していただく流れを生みだしています。
コンテンツの事例
- 規格外の生花による装飾
- 花のプレゼント
- キッチンカー出店
- 特別法要
- 地域企業による体験ブース
エータイは寺院コンサルティングとして、寺院と地域にとって安心した未来を迎えられるようにサポートを行います。
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