寺院コンサルが提案する寺院経営の改善方法は?課題と実例を解説

眞乗寺-墓域

寺院コンサルとは、経営課題を抱える寺院に対して、最適なアドバイスや改善策を提示し、目標達成に向けて並走する支援活動を指します。

昨今は少子化や信仰心の希薄化など、寺院を取り巻く環境は年々厳しくなっています。

寺院の存続には新たな取り組みが必要と感じながらも、「何から始めればよいかわからない」と悩む寺院経営者も多いのではないでしょうか。

この記事では、寺院コンサルが行ってくれることや、実際のコンサル事例、経営改善の一つの選択肢である永代供養墓経営などについて、くわしく解説します。

寺院コンサルとは?

寺院コンサルとは、経営難に直面していたり、廃業の危機にある寺院の問題点を第三者の視点から発見・把握し、「収益増」や「地域における寺院の存在感の向上」など、寺院経営者の希望に沿った改善策を提案し、寺院経営者と一緒に経営改善に取り組むことをいいます。

寺院コンサルは様々な寺院のケースを改善してきた経験やノウハウがあるため、個々の寺院に合わせた最適な改善策を提案できます。

現代の寺院の多くが直面している経営上の問題点として、以下があります。

  • 檀家の減少にともなう収益の悪化
  • 法要の減少
  • 地域における寺院の存在感の低下

たとえば、「寺院の収益の悪化」という問題ひとつを取ってみても、それぞれの寺院によって原因や改善方法は異なります。

寺院コンサルは、しっかりとしたヒアリングで個々の寺院の問題点を把握します。

そして、蓄積された過去の事例や成功体験を元に、それぞれの寺院に合った経営改善策を提案できます。

寺院コンサルが考察する寺院経営難の4つの理由

お寺のイメージ

寺院が経営難に直面したり、存続が難しくなっていることは、日本の地域社会や文化にとって大きな損失といえます。

寺院経営難の原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。

寺院コンサルが考察する、寺院経営難の4つの原因について解説します。

①檀家が減少傾向にある

日本では人口減少が問題になっており、日本の人口は13年連続で減少しています。

特に、今後は地方の過疎化がより進むと考えられており、2015年に日本創生会議が発表したレポート「地方消滅」によると、2040年の段階で全国の自治体の49.8%が消滅する可能性が指摘されています。

寺院は地域の中心としての役割を果たし、檀家をはじめとした地域の人々が寺院を支える、相互扶助の関係が続いてきました。

しかし、地域に住む人そのものが減ってしまうと、結果として檀家が減ることにつながります。

 

また、過疎化の地域は若者が都市部に出ていき、高齢化が急激に進むというデータもあります。

将来のお墓の承継者となる若者が地域を離れると、お墓の管理が困難になり、離檀や墓じまい、都市部への改葬が進むことが予想されます。

このように、寺院は今後経営的に難しい状況に追い込まれることが予想されるため、今から収益源を増やすなどの対策に取り組む必要があります。

②仏教信者の減少や信仰心の希薄化

仏教は古来より日本に根付いてきた宗教ですが、現代人の宗教観は大きく変化しており、信仰している宗教がないという人が増えています。

NHK放送文化研究所が参加しているISSP(International Social Survey Programme)が行った調査によると、「信仰している宗教がない」と答えた人は62%にのぼっています。

特に、10代~30代の宗教離れが進んでいることから、檀家を引き継いだり、新たに檀家になろうとする人が少なくなることが予想できます。

 

ただ、無宗教であってもお墓は必要です。

現代の人のニーズに合うお墓として、遺骨の供養や管理を永代にわたって寺院に任せられる、永代供養のお墓の人気が高まってきています。

無宗教の人や、独身の人、お墓の承継者がおらず困っている人など、どのような人も安心して眠ってもらえるお墓を用意するために、永代供養墓経営に参入する寺院も増加しています。

③コロナ禍の影響で法要や参拝が減少

コロナ禍では、人々は今までとは違う生活を余儀なくされ、寺院にもその影響が及びました。

一般社団法人「良いお寺研究会」のお寺経営者に対してのアンケートによると、コロナ後も法要の数が回復せず、法要の回数や規模が減っているという結果が出ています。

法要でのお布施は、寺院の主要な収入源の一つです。今後も法要の回数が回復しない場合は、寺院経営に大きな影響を及ぼすと予想できます。

法要や参拝を増やすには、さまざまな取り組みを通じてお寺を身近な存在と感じてもらうこと、法要の意義を幅広く知ってもらうことなどが大切です。

④寺院の後継者不足

寺院の後継者が不足しており、廃業の危機に瀕している寺院も多くなっています。

昔は「坊主丸儲け」などという言葉がありましたが、実際は住職の生活は厳しく、副業している住職も少なくありません。

 

住職に後継者がいても、収入が少なく、生活に不安があることから寺院を引き継ぎたくない、もしくは引き継ぐことを勧めないという人が多くなっています。

後継者として外部から人材を入れたいという場合でも、収入面で魅力がないことから、寺院経営をしたいと考える人は少ないのが現状です。

経営が安定し、将来的にも安定した収入が得られるようになれば、寺院の後継者問題もある程度解決できる可能性があります。

寺院コンサルが提案する寺院経営の改善方法

瑠璃光寺フェスでのフードブースの様子
瑠璃光寺フェスでのフードブースの様子

寺院経営に行き詰っていたり、今後を見越して積極的に経営を改善したいという寺院に対して、寺院コンサルが提案する経営改善方法は大きく分けて3つあります。

  1. 既存事業以外の収入源の確保
  2. 寺院独自の商品を開発し、他寺院との差別化を図る
  3. 寺院と市民のコミュニケーションの活性化

実際はこまやかなコンサルティングで、個々の寺院により適したプランが提示されますが、ここでは大きな枠組みを紹介します。

①既存事業以外の収入源の確保

寺院の主な収入源は、檀家が毎年納める「護持会費」や「檀家料」です。しかし、収入源が檀家だけだと、将来檀家数が減ってしまった場合、収入が大幅に減少してしまいます。

既存の檀家とのつながりを強く保つことは大切ですが、それと平行して、今後の寺院経営のために別の収入源を確保する必要があります。

 

新しい収入源を得る方法としては、永代供養墓や樹木葬を取り入れることなどが挙げられます。

現代では、死生観の変化や、信仰心の低下などから「お墓は代々継承していくもの」という考えを持つ人が減り、「自分のお墓は自分で決めたい」と考える人が増えてきています。

また、お墓の管理や供養、金銭的な負担を子供に負わせたくないと考える人も増えています。

このような、現代の人の宗教観に合った新しいタイプのお墓として、「永代供養墓」や「樹木葬」、「納骨堂」が注目され、購入する人が増えています。ただ、希望する人は多いものの、お墓の数はまだまだ少ないのが現状です。

 

お墓は、宗旨や宗派・信仰心の有無に関わらず、誰もが必ず必要なものです。

「自由にお墓を選びたい」「身内に負担をかけたくない」と考える人のニーズを満たし、社会の役に立てる新しいタイプのお墓を導入することで、寺院の収益の柱を増やせます。

②寺院独自の品を開発し差別化する

お守りや御朱印など、寺院独自の品を開発し、寺院もしくはインターネット上での販売につなげて収益を得るという方法もあります。

実際に、寺院オリジナルの開運お守りや御朱印を作成し情報発信をしたことで、参拝者数を100倍以上に増やした寺院もあります。

オリジナル商品をSNSやWebで発信することで、多くの人に寺院の魅力を伝え、参拝や購入につなげる取り組みです。

このような手法は、宗教離れしている若者へ寺院の存在や魅力を伝えることができるというメリットもあります。

③寺院と市民のコミュニケーションの活性化

寺院が地域の中心だった時代は、寺院が催すお祭りに地域の人が大勢参加するなど、寺院と市民がコミュニケーションを取る機会が多くありました。

そのような中で、寺院と個人が結びつき、檀家になって寺院を支える人も多くいました。

しかし、現代は、以前に比べて地域の人同士の結びつきが希薄になっており、寺院と地域の人とのコミュニケーションの機会も減っています。

寺院の一部を解放して、書道教室やヨガ教室などをしてもらうことで、寺院を身近なものと感じてもらえます。

 

また、寺院が積極的にお祭りを開催し、地域の人々がつながる機会を提供することで、寺院に親近感をもってもらい「何かあったら供養をお願いしたい」という気持ちにつなげることができます。

エータイが行ったコンサルの実例

弊社エータイでは、経営課題を抱えている寺院に対して、新たな収入源となる永代供養墓の導入や、地域住民との距離を縮めるためのイベント開催といった、様々なコンサルティングを提案しています。

ここでは、その実例をいくつかご紹介します。

永代供養墓の導入を行った例 - 東京都多摩市・経王山大乗寺

経王山大乗寺は多摩市にあり、150年の歴史を持つ日蓮宗の寺院です。寺院は近隣の神社などとともに厳かな雰囲気を感じられ、自然豊かな環境にあります。

地域に根ざす寺院を目指しており、寺院を拡大・充実させていく取り組みの一つとして、永代供養墓を導入していただきました。

大乗寺-永代供養付個別墓「やすらぎ個別墓」
永代供養付個別墓「やすらぎ個別墓」

経王山大乗寺では、以下の3種類の永代供養墓を導入しました。

  • 永代供養墓「やすらぎ」 合祀プラン・回忌安置プラン
  • 永代供養付個別墓「やすらぎ個別墓」
  • 永代供養付自然葬

複数の種類の永代供養墓を導入することで、お客様の希望に合ったものを提供できています。今回の導入について、ご住職からは、以下のような声をいただいています。

この地域の方が多いですが、お墓参りに来ていただける方が増えましたね。お墓参りに来ていただけるお寺であることは大事ですので嬉しいですね。お寺のあり方は、お檀家さんを含めて地域の方々が集まって、色々なことが相談できるような、地域のコミュニティーの中心になる場所になると一番良いと思っています。皆さんが気楽に来られるような場所でありたいです。
https://a-tie.co.jp/business/case/daijoji/

このように、永代供養墓導入でお寺を訪れる人が増え、お寺に活気が出たとのこと。地域の拠り所として、多くの人が気軽に訪問してくれることをとても喜んでおられました。

夏祭り開催を行った例 - 桜之霊場 妙正寺

「桜之霊場 妙正寺」は、800年ほどの歴史を持つ、市川市を代表する桜の名所です。この妙正寺では、地域を盛り上げたいというお住職の想いから、四季を通じてお子さんからシニアの方まで楽しめるイベントを開催しています。

妙正寺-夏祭り

今回紹介する「夏祭り」は、昔からのならわしである「迎え火送り火」体験から始まりました。実際にご住職が焚いた火をまたいで、ご先祖様への感謝を込めて合掌します。日本の古くからの風習ですが、実際に経験したことがない人も多く、多くの方に参加いただきました。

風鈴づくり体験やゲーム、縁日グルメやかき氷で楽しんでいただいたり、エータイが企画した「ストラックアウト」も大好評。お菓子の詰め合わせをもらった子供はとても喜んでいました。

お手製花火大会で、観覧車には花火セットのプレゼントも。この夏祭りは、地域の人同士が顔を合わせ、同じ時間を共有して楽しむ貴重な機会となりました。

参考:【開催レポート】お寺で花火?夏休みを満喫するイベント桜之霊場 妙正寺『夏祭り』を開催しました!

 

このように、寺院が地域の人達が集うイベントを開催することで、住民同士の交流にもつながりますし、「お寺」がとても身近な存在になります。

「どのようなイベントを開催すればいいかわからない」という場合も多いかと思いますが、弊社エータイでは、提携寺院様のイベント開催もお手伝いします。

寺院がエータイの永代供養墓や樹木葬を導入するメリット

弊社エータイは、寺院経営者の「寺院経営を変えたい」「将来にわたって存続できる寺院を目指したい」という気持ちに寄り添えるよう、金銭的な負担がなく永代供養墓を導入できる仕組みを提供しています。

ここでは、エータイの永代供養墓ならではの魅力やメリットを紹介します。

初期投資が不要

エータイの永代供養墓や樹木葬は、初期投資が不要なことが大きなメリットです。

寺院経営に永代供養墓等を導入するときには、数百万円ほどの初期費用がかかることが一般的です。

このようなケースでは、永代供養墓や樹木葬が売れなかった場合は初期投資が回収できず、収支がマイナスになってしまうリスクがあります。

エータイでは、永代供養墓や樹木葬を導入するときに、初期費用は一切かかりません。そのため、収支がマイナスになるリスクを背負うこともありません。

エータイの永代供養墓は、資金面の心配をすることなく、寺院経営のための新しい取り組みができることが大きな魅力といえます。

複数の種類のお墓を一度に用意できる

エータイが提供する永代供養墓は、以下のように種類が豊富であることが特長です。

  • 永代供養墓
  • 樹木葬
  • 納骨堂
  • 永代供養付一般墓

このように選択肢が多いため、寺院経営者の方が、寺院の雰囲気を合うお墓を選べます。

また、永代供養墓などを生前購入する人は「複数のタイプのお墓を比較して選ぶ」という傾向があります。

エータイを利用する寺院経営者の方は、「永代供養墓と樹木葬」というように、複数の種類のお墓を導入する場合が多く、お客様が寺院内で比較できることから、成約率も高くなっています。

マーケティングから販売まで一任できる

エータイの永代供養墓の導入では、永代供養墓の建立から宣伝広告・販売・お墓の管理まで、すべて一任できることが大きな特徴です。

 

一般的には、永代供養墓や樹木葬を販売するための広告やマーケティングは、寺院がそれぞれ行います。

しかし、寺院経営者はマーケティングの知識や経験が乏しいことがほとんどのため、販売活動がうまくいかず、永代供養墓がなかなか売れないというケースも多くなっています。

しかしエータイの永代供養墓導入であれば、マーケティングや宣伝広告もすべて一任できます。

エータイは永代供養墓の販売における多くのノウハウや成功事例を持っているため、最も効果的な方法で宣伝を行い、永代供養墓の販売につなげられます。もちろん、販売が予定通りに行かなかった場合でも、寺院経営者が金銭的な負担を負うことは一切ありません。

寺院経営者の手間が増えない

エータイでは、永代供養墓の建立から販売、管理まですべて一任で行います。

そのため、忙しい寺院経営者の時間を割く必要はなく、日常の生活が変わることはありません。

永代供養墓を見学希望者の案内や説明、お墓の掃除もすべてエータイが行いますので、今までの生活を保ちながら、永代供養墓経営という新しい取り組みにチャレンジできます。

寺院がエータイの樹木葬を導入する流れ

妙楽院-永代供養付個別墓「やすらぎの郷」
永代供養付個別墓「やすらぎの郷」

エータイの永代供養墓を寺院経営に導入する手順は、以下のとおりです。

  1. 打ち合わせ
  2. 現地調査・ヒアリング
  3. プラン提出
  4. 契約
  5. 許可申請
  6. 工事
  7. 販売

まずは、導入したい永代供養墓の種類や、導入したい場所など、寺院側の希望をしっかりと聞き、希望に合ったプランを作成できるようヒアリングを行います。

設置予定地に樹木や石がある場合でも、撤去費は不要でエータイが対応するため安心です。

 

次に、エータイが提出したプランをもとに何度も打合せを行い、寺院経営者が納得した段階で契約書を取り交わします。

契約後は、永代供養墓建立のためのさまざまな申請や発注・工事から販売まで、エータイがすべて一任して行うため、寺院経営者の方の手間や時間が取られることはありません。

 

永代供養墓を建立して販売した後も、関連作業はすべてエータイのスタッフが行います。

永代供養墓を導入した後も、寺院経営者の方が今までとまったく同じ生活ができることもエータイの永代供養墓の強みです。

まとめ

寺院コンサルは、寺院経営を変えたい、新しい取り組みをしたいと考える寺院経営者をサポートする取り組みです。

寺院を取り巻く環境は厳しく、現状維持のままだと、寺院を存続できないのではと危機感を抱く寺院経営者も多くいます。

 

多くの新規取り組みには初期費用が必要ですが、エータイの永代供養墓は初期費用ゼロで導入可能です。

また、行政手続きから販売のマーケティング、お墓の管理まですべてエータイに一任できることも魅力です。

お寺の経営改革に取り組みたいと考えている人は、ぜひエータイの資料を取り寄せてみてください。

エータイへの問い合わせはこちらから